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飲む食うが大好きなメタボ店長です。お店で感じたことやどうしても書きたいことなどを綴って行きたいと思います。

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2008年5月

2008年5月17日 (土)

店員の目と客の目

接客をしながら、はたまた店で飲みながら、視点の違いでのギャップを良く感じる。今日はそれをテーマにしてみたいと思う。

その違いは味に関してよく現れると思う。接客をしながら思うのは「自信の無さ」だろうか?別に自分の店の料理や酒に自信が無いわけではない、どちらかというと「この料理を美味しいと思ってくれるかな?」という不安である。人の味覚は千差万別なので僕が美味しいと思う物を美味しいと思ってくれるかどうかの不安だ。「美味しい」の一言は接客している際、一番嬉しく安堵する瞬間だ。特に僕は弱気なので「これ美味しいですよ」となかなか言えない。何か価値観の押し売りな気がしてしまうのだ。

対して自分が飲んでる場合、「これがオススメです」なんて言われたらほぼ100%オーダーしてしまう。そして自分に余程の心構えが無い限り、それを真剣に味わうことは無い。もちろん料理や酒を楽しみに入店しているのだが、思わずその場の会話に流されてしまうことが多い。居酒屋って場の空気も含めて愉しむモノだからかもしれない。

接客に話を戻してみる。例えば、肉じゃがを出す場合「ちょっと醤油が濃いかな?」とか刺身の場合では「もしかしたらどこかに臭みがあるんじゃないか?」とか日本酒なら「香りが派手すぎるのかな?」など、提供する前から悩むというかビクビクしたりもする。必要以上に自分のセンサーが敏感になってしまい過剰反応を起こしてしまうのだ。完璧なら良いのだが全てが完璧と言うわけは無く、そこが気になって仕方が無くなる。もうチョット強気で行けよっと自分で叱咤したくなるところでもある。


客になってみるとその店員の気持ちがわかる瞬間がチャンとある。とある居酒屋でのこと、そこの板長が「お刺身どう?美味しい?」と不安げに聞いてきた。どうもこうもなく抜群にウマイのだが、どうやら僕の食べ方が原因らしかった。皆に「変態食い」と言われる僕の習性なのだが、僕は刺身と寿司は基本「醤油」なしで食べる。刺身の場合は何も漬けずかワサビのみだ。その店には過去何度か足を運んでいたのでいつの間にか食べる所を見ていたのだろう。恐らく食通だと勘違いされたのではないかと思う。通がそんな食べ方をするとは思えないが、調味料を何も漬けないと素材の欠点などが判別しやすいのは確かだと思います。僕の場合はそんなのとは関係なく、ただの「趣味」だ。持ち上げられるのは気分が良いが、逆に変にプレッシャーにもなるので「ただの変態です」と素直にお伝えした。個人的にその店の刺身はとても美味しいと思う。多分お店の方でも相当の自信があると思う。にもかかわらず、些細な僕の行動で不安になったりしたのだ。不思議な物だ。

僕も接客中にお客様の言動で不安げになることがよくある。特に自己主張の強い方は苦手だ。自己主張が悪いわけではなく、その人の主張によって色々と考えを巡らし、最終的には疑心暗鬼に陥ることがよくあるからだ。食事の場合は大抵お客様の方が選んでくれるので、オススメなどプラス1、2品で済む。しかし飲み物の場合、最初から最後までお任せと言うパターンが少なくない。正確にいうと、完全なお任せではなく「こんな感じの物」で続くのだ。頭をフル回転させるのだが、主観からは逃れられず、最後までハズレ続きな時もある。1オーダーごとにプレッシャーが増していき最後はすがる気持ちで提供したりもする。やはり「美味しい」の一言は神の言葉なのだ。

またまた僕が客になってみる。僕は全てをオススメで頼むことはまず無い。頃合を見て1,2品頼む程度だ。飲み物が来たときは銘柄の説明を受けるのだが実は受け答えは「ハイハイ」で馬耳東風気味・・・。一口目はチャンと味わって飲んでみるが気付くとグラスは空になっている。イメージは意外と残っていない。ただし、好みだったかどうかはシッカリ認識できていて覚えてるのだ。けれども仮に好みでなくてもあまり不満な気分にはならない。「まぁ次」っていう感じでその場を愉しんでいる。「おまかせ」と言う言葉で決して店員を試しているのではなく、楽だし「おまかせ」と言うのも好きだったりするからだろう。

ちょっと比べてみただけでも店員と客では随分と価値観が違う。「僕だけの話?」「僕だからの話?」、まぁあくまでも僕個人の価値観由来なので一人の世界に浸っている可能性も高いが、このすれ違いはあながち間違ってないと思う。
「店員よ、気にしすぎるな!自信を持て!」
客が求めるのはトータルなバランス。「スッゴイ美味しい頑固親父の店」僕は全く惹かれないけどそれに惹かれる人達もいる。「ん?ん?似た様な店で好きな店発見!」

自分の好きな店に共通項なんて無い。敢えて理由を探すなら好きだから。「美味しいから」好きな店もあるし、「安いから」好きな店もある。「落ち着く」から好きな店もあるし「日本酒が飲める」から好きな店もある。自分のアンテナに嵌ったら好きな店になるのだ。お店として当然努力が必要だがスタンスは崩す必要は無いだろう。

もう一度唱えたい。


「店員よ、気にしすぎるな!自信を持て!」

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