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飲む食うが大好きなメタボ店長です。お店で感じたことやどうしても書きたいことなどを綴って行きたいと思います。

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2008年9月 1日 (月)

日本酒の力

昨年秋より久高では日本酒の売れ行きが好調だ。今春に深刻な不振を味わいはしたが基本的には売上げは続伸傾向にある。4年前のオープン直後は僅か6銘柄しか扱えなかったのが今では20銘柄前後の扱いをキープしている。これ以上は保管場所が足りない為、残念ながら銘柄を増やす事は出来ないが充分な品数であると思っている。当店のPRも功を奏したと思うが、日本酒を飲むという下地が出来つつあることも実感する。

今日はそんな日本酒の魅力を取り上げてみたい。

まずは焼酎の話から。
飲食店にとって焼酎は非常に頼もしいアイテムだ。厳密に言えば間違っているが劣化が非常に遅く、常温での放置に対して抜群の強さを誇る。故に管理がしやすく銘柄を多く扱いやすい。更なる利点は原価率の優秀さにある。飲食店の店主である僕がタブーを破って言ってしまうと、「ぼろ儲け」である。当店での値段は他と比較すると普通か少し高いレベルにあると思う。一見すると価格で判断しやすいのだが、もちろんパフォーマンスとは主に量との関係になる。皆さんも「これだけ?」っていう量の焼酎に出会ったことがあるだろう。あんまり酷いのは流石にあまり見かけないが・・・・・(大手に多い?)久高ではあまり流通していない物(希少銘柄ではない)を多く揃えることにより付加価値を高めたり、提供する量を他店より多めにすることにより(もちろん平均値で。もっと優秀な店は沢山あります。)お客様に満足して頂こうと考えている。
そして前述した原価率の良さについてだがどんなに甘く見積もっても25%は切るはずである。凄い店では10%程度の所もあるだろう。安い焼酎であればどこも20%は確実に切る。一杯500円を切ってもこの水準は簡単にクリアできるのだ。飲食店が手放すわけが無い。数年前の大焼酎ブームに一役も二役も買ったのは飲食店自身でもあるのだ。
何故なのか?日本酒と比較してみるとアルコール度数は日本酒より高く仕入れ価格は日本酒より安い。まずここで単純に販売価格に差が出るが、更に提供量は日本酒より少ないのだ。当然強力な武器になる。
しかし、大ブームの頃は良かったが、沈静化した今は相変わらず利益は出るが集客に繋がる商品でもない、と言うのが実情だろう。ごく一部の良心的な店では「安く多く」をモットーに変わらぬ集客を誇ってはいるが業界全体で見ると下火になったと言わざるを得ない。

現在は果実酒がやや優勢な群雄割拠状態ではないだろうか。その果実酒でも当ブログで以前取り上げた「梅の宿」や「麻原酒造」などのカリスマ的先駆けメーカが不良在庫を大量に抱えていると言う情報もある。焼酎業界も野菜ブームに乗ってか怪しげな野菜焼酎を次々に世に出し復権を狙っているようにも見える。ワインは確固たる支持者層を持ち地盤は堅そうだが未だ欧米ブランド嗜好(皮肉です)のPRに頼りすぎミーハーな路線を抜け切れないでいそうな感じです。国産ワインを持ち上げてみたり、酸化防止剤無添加ワインを流行らせて見たり、目先を変えて努力しているが(美味しい国産ワインは沢山あります)、本質を追い求めたコマーシャルをしていないように見える。大体、酸化防止剤を添加しているワインに何か問題あるのだろうか?放っておいても揮発するし、すぐ飲むならグラスを回せば勝手に飛んでくと思うんだけどなぁ。高い品質を持つ商品なだけに消費者を名前や製法などではなく、純粋に味覚で判断するように誘導するのが得策だと思うのが・・・。
ウィスキーなどのハードリカーは業界が成熟している感じだ。好んで飲んでいた世代は次々に引退して行き、今は本当に好きな人達が消費している。勉強してみると相当奥深く、魅力的な酒だがハードルが高いのも事実だろう。大穴はビール。発泡酒や第三のビールに偏っている今は論外だが、アルコール度数も手頃で味わいに非常に幅がある。業界のPRや景気次第では市場が爆発的に伸びる可能性を秘めていると個人的には考えます。
そして日本酒。PRが下手すぎて目を被うばかりだが、それでもこの群雄割拠状態の利を得て支持者や入門者を徐々に獲得しているようだ。久高でも思いもかけず日本酒のオーダーが入ったりするとビックリもするが興奮したりもする。やはり日本酒好きな自分にとってこの瞬間は堪らない。

この日本酒、実は大きな商機を創り出している。簡単に言うと美味しく日本酒を飲める所が非常に少ないからだ。つまり数は少ないが日本酒好きな人はこの店は飲めると判断すると簡単にリピーターになってくれるのだ。ただし、日本酒には相性があり僕自身幾つもの銘酒居酒屋で「ダメだこりゃ」と感じたことがある。個人的には熟成系の日本酒があまり好きではなく(勉強不足?)主力製品がそういう酒の店には好感が持てない為だ。僕個人が旨み系が好きなので辛口商品に弱い部分があったりもするが、久高の客のニーズは概ね辛口である。難しい所だ。また、純米系が多いため辛口に弱い側面もある。アル添のキレに慣れた人には中々ピッタリ賞が来ないのだ。ただし、これらの相性は既に日本酒に慣れ親しんでいる人に当てはまるパターンで、新規愛好者にはあまり関係ない。しっかり管理さえし、キチッと勉強さえしていれば自ずとリピート客を獲得することが出来るのだ。

では何故日本酒を美味しく飲める店が少ないのか。
管理の大変さ故だ。酒質にもよるが最低でも15℃以下が望ましい。出来れば5度前後の管理を望みたい。また生酒であれば0℃以下の管理が最良だろう。それに加え抜栓からの消費期間が短いのも敬遠される理由の一つだ。管理温度が高ければ高い程、消費期間が短くなる。そしてやっかいなのは酒毎に飲む適温が違うことだ。ある程度経験すれば味を見た時に適温は想像できるが、かといってその温度で提供することは困難でもある。何故なら大抵の店ではどの酒も同じ冷蔵庫で冷やしてあるからだ。つまり同じ温度なのだ。専門店にもなれば複数の温度帯の冷蔵庫を完備している為、この難題をある程度克服出来るが、生酒をマイナスで管理している場合出てきた瞬間は冷たすぎて味が良く解らないと言うのも実情だ。
そして最大の難関は知識だ。この知識がリピートに大きく作用するのだが日本酒好きはマニアが多い。焼酎ファンは大皿の様で日本酒ファンはシャンパングラスの様なのだ。これに応えられると店を気に入って貰えるようである。もちろん、この知識の部分に関しては性格が大きく影響する。幾ら詳しくても性格的に相容れなければ受け入れて貰えない。ここに新しく人材の影響も出てしまう。当店は個人店の為、人材は僕の為すげ替えようが無いので戦々恐々である。とりあえず知識の勉強はしているっと言った具合である。
と言っても、難しい。とにかく飲まないと話にならない。依然まだまだの領域である。それでも日本酒大好きなので楽しくやってまーす!!。

だんだん、酔いが回って良い気分になってきました。日本酒を飲みながら日本酒ブログを書くのは最高っすね。三重錦最高!蒼天伝最高!鯉川最高!の楽しい夜です。このまま日本酒昇天目指して今夜は深酒しまーす。

これも接客に生かしますのでこれからも宜しくお願い致します。


かんぱい!

2008年5月17日 (土)

店員の目と客の目

接客をしながら、はたまた店で飲みながら、視点の違いでのギャップを良く感じる。今日はそれをテーマにしてみたいと思う。

その違いは味に関してよく現れると思う。接客をしながら思うのは「自信の無さ」だろうか?別に自分の店の料理や酒に自信が無いわけではない、どちらかというと「この料理を美味しいと思ってくれるかな?」という不安である。人の味覚は千差万別なので僕が美味しいと思う物を美味しいと思ってくれるかどうかの不安だ。「美味しい」の一言は接客している際、一番嬉しく安堵する瞬間だ。特に僕は弱気なので「これ美味しいですよ」となかなか言えない。何か価値観の押し売りな気がしてしまうのだ。

対して自分が飲んでる場合、「これがオススメです」なんて言われたらほぼ100%オーダーしてしまう。そして自分に余程の心構えが無い限り、それを真剣に味わうことは無い。もちろん料理や酒を楽しみに入店しているのだが、思わずその場の会話に流されてしまうことが多い。居酒屋って場の空気も含めて愉しむモノだからかもしれない。

接客に話を戻してみる。例えば、肉じゃがを出す場合「ちょっと醤油が濃いかな?」とか刺身の場合では「もしかしたらどこかに臭みがあるんじゃないか?」とか日本酒なら「香りが派手すぎるのかな?」など、提供する前から悩むというかビクビクしたりもする。必要以上に自分のセンサーが敏感になってしまい過剰反応を起こしてしまうのだ。完璧なら良いのだが全てが完璧と言うわけは無く、そこが気になって仕方が無くなる。もうチョット強気で行けよっと自分で叱咤したくなるところでもある。


客になってみるとその店員の気持ちがわかる瞬間がチャンとある。とある居酒屋でのこと、そこの板長が「お刺身どう?美味しい?」と不安げに聞いてきた。どうもこうもなく抜群にウマイのだが、どうやら僕の食べ方が原因らしかった。皆に「変態食い」と言われる僕の習性なのだが、僕は刺身と寿司は基本「醤油」なしで食べる。刺身の場合は何も漬けずかワサビのみだ。その店には過去何度か足を運んでいたのでいつの間にか食べる所を見ていたのだろう。恐らく食通だと勘違いされたのではないかと思う。通がそんな食べ方をするとは思えないが、調味料を何も漬けないと素材の欠点などが判別しやすいのは確かだと思います。僕の場合はそんなのとは関係なく、ただの「趣味」だ。持ち上げられるのは気分が良いが、逆に変にプレッシャーにもなるので「ただの変態です」と素直にお伝えした。個人的にその店の刺身はとても美味しいと思う。多分お店の方でも相当の自信があると思う。にもかかわらず、些細な僕の行動で不安になったりしたのだ。不思議な物だ。

僕も接客中にお客様の言動で不安げになることがよくある。特に自己主張の強い方は苦手だ。自己主張が悪いわけではなく、その人の主張によって色々と考えを巡らし、最終的には疑心暗鬼に陥ることがよくあるからだ。食事の場合は大抵お客様の方が選んでくれるので、オススメなどプラス1、2品で済む。しかし飲み物の場合、最初から最後までお任せと言うパターンが少なくない。正確にいうと、完全なお任せではなく「こんな感じの物」で続くのだ。頭をフル回転させるのだが、主観からは逃れられず、最後までハズレ続きな時もある。1オーダーごとにプレッシャーが増していき最後はすがる気持ちで提供したりもする。やはり「美味しい」の一言は神の言葉なのだ。

またまた僕が客になってみる。僕は全てをオススメで頼むことはまず無い。頃合を見て1,2品頼む程度だ。飲み物が来たときは銘柄の説明を受けるのだが実は受け答えは「ハイハイ」で馬耳東風気味・・・。一口目はチャンと味わって飲んでみるが気付くとグラスは空になっている。イメージは意外と残っていない。ただし、好みだったかどうかはシッカリ認識できていて覚えてるのだ。けれども仮に好みでなくてもあまり不満な気分にはならない。「まぁ次」っていう感じでその場を愉しんでいる。「おまかせ」と言う言葉で決して店員を試しているのではなく、楽だし「おまかせ」と言うのも好きだったりするからだろう。

ちょっと比べてみただけでも店員と客では随分と価値観が違う。「僕だけの話?」「僕だからの話?」、まぁあくまでも僕個人の価値観由来なので一人の世界に浸っている可能性も高いが、このすれ違いはあながち間違ってないと思う。
「店員よ、気にしすぎるな!自信を持て!」
客が求めるのはトータルなバランス。「スッゴイ美味しい頑固親父の店」僕は全く惹かれないけどそれに惹かれる人達もいる。「ん?ん?似た様な店で好きな店発見!」

自分の好きな店に共通項なんて無い。敢えて理由を探すなら好きだから。「美味しいから」好きな店もあるし、「安いから」好きな店もある。「落ち着く」から好きな店もあるし「日本酒が飲める」から好きな店もある。自分のアンテナに嵌ったら好きな店になるのだ。お店として当然努力が必要だがスタンスは崩す必要は無いだろう。

もう一度唱えたい。


「店員よ、気にしすぎるな!自信を持て!」

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